たたかってみ

生きているんだ

ゼロー堀江貴文著ーを読んだ

何となくテレビやTwitterで知っていた気になっていただけだったなあと思いました。

私の勝手なホリエモンのイメージはワーカホリックで、
お金の亡者で、いわゆる勝ち組路線の先頭を切ってずっと突っ走り続けている成功者で、やりたい放題の人生を送っている人。

実際読み終えても、このイメージには間違いはあまりなかった訳ですが
あのホリエモンに、高校、大学時代に麻雀に明け暮れて将来に夢や希望が見出せなかった時期があったとか、
そもそも東大受験がすんなりとトントン拍子に進んでいたわけではなくて、落ちこぼれからのチャレンジだった、なんていうことは、思いもよりませんでした。

結果として、大きな成功を収めた人物だれども、それまでに計り知れない努力を積み重ねてきた、我々と同じ等身大の人間なんだと思うと、妙に親近感を覚えて、自分にも、なにか出来るんじゃないか、という希望を与えてくれる一冊となりました。

成功者の意見、これまでのサクセスストーリーを読むことで、手っ取り早く成長し成功するまでの近道を探りがちですが、ノウハウを身につけるだけでは、その人なりの成功を納めることはできない。

成功するための具体的な指南書ではなく、自分自身の中で何かを始めたいという気持ちがあるけれども、その一歩が踏み出せず、日々悶々とした毎日を過ごしている人へ、とにかくその一歩踏み出すきっかけを与えてくれるような内容だったと思います。

なにか自分でやりたいことがあるけれども、それを成功させるためにはどうしたらいいかとか、どうやったら失敗しないかとか、やる前から頭でっかちに考えすぎて、行動に移せなくなっている私には特に、心に突き刺さるストレートな言葉ばかりでした。


というここまでが、一般的な感想文です。


率直に言えば、答えが欲しかった。

とも思いました。
どうすれば、あなたのような成功者で居られるのか、
どうやったら、我々の人生は失敗しないのか。
成功したあなたなら、きっと教えてくれるはずだと期待してページをめくった私のような読者が多いのではないでしょうか。

しかし、その答えは、「やってみないとわからない」
この一言に集約されているのです。

堀江貴文さんとしての人生は、自分自身の信念に基づき、あれやこれやと試行錯誤してきた結果、“ホリエモン”が出来上がったのであり、我々がおなじような選択をし、同じようなことを考え、実行したところで、“ホリエモン”には到底成り得ない。

正解を求めて行動をしても、世の中には正解も不正解も最初からないのだよ、ということ。


人間、どんなに偉い人でも生まれた時は裸だったわけです。


チャンスも、時間も、平等に流れて居て、それでもこの世の中は不公平だ!と嘆き続けるのか、どこかのタイミングで思い切ったスタートを切るのかは、あなた次第であり、わたし次第であり。


働くことについて、甚だ疑問しか湧いてこなかった私ですが、ゼロを読んで、やっとそれらしい答えに出会えたかしら。

本書の中で、ホリエモンは、お金のために働いている訳でないと、キッパリと断言していました。

ここの部分、結構重要だと思うんだけど、なんか頭から抜け落ちる。もしかしたらまだ、腑に落ちて居ないのかもしれない。

どうやら要約すると、堀江貴文がはたらく理由は、やりがいを生み出すため、らしい。

やりがいを感じることで、どんどんと仕事が好きになっていく。
働くことでお金が貰えるからという理由づけではなく、お金を稼ぐことで、やりがいが感じられ、生きていく理由になるというものなのらしい。

しかし、どうもここの解釈が曖昧なようで、頭に入ってくるまでに時間が掛かります。

一番重要な部分かもしれないが、ちょうどその核心に差し迫ったところで、仕事を好きになれない人向けのやりがいを見出す術とは、というような議題にすり替わってしまって居て、果たして、働くとはなにを意味し、どうして重要なのかがすっぽりと抜け落ちているような感覚に陥る。

つまり、仕事をすることが好きだから、働いているということなのかもな。
だから、好きになれないなら、好きになれるように努力をしろ、とそういうことなのかもな。

そして、それでもその仕事が好きになれないなら、いっそ辞めて全く別の仕事を探すか、起業するかしか道はない、そう言っているのかな。

幸い、わたしは、好きになれない仕事を手放し、好きになれそうな仕事を始めることに決めたので、あながちそれは間違いではないんだなあ。


しかし、これを読んでも、
「そんなこと言ったって好きな仕事なんて見つからないし、だからと言って起業なんて出来る訳ないだろ!!!」
と憤慨している大人が何人もいそうだ。


そう思ってしまう人は、確実に自分自身の人生を懸命に生きようと努力をしていない、怠け者でしかないのではないか。

自分以外の誰かに決められた人生を生きてしまっているから、ここぞという決断を下さなければならなくなった時に、急に他の人や環境のせいにして、自分の人生を放棄する。

あなたが選んだことで、今のあなた自身が出来上がり、
あなたが経験してきたことで、
これからが作り上げられていくということを、
すっかりどこかに置いてきてしまって、
自分のことは自分で決めたい、などと言っておきながらも、
だれかから見た自分を勝手に作り出して、
そのギャップに勝手に苦しんでいる。


一人っ子特有の考え方もあるかもしれないけれど、
わたしには共感の出来る考え方がたくさん詰まっておりました。